子ども向け食育、地域体験、農家や漁師との学び合い、生命の循環を感じるワークショップなど、食を通じて未来を育てる取り組みを紹介します。
地域資源である「食」は、単なる消費対象ではなく、子どもたちが命の循環や地域文化を学ぶための生きた教材です。人口減少や若者の流出といった地域の深刻な課題に直面する中で、「この地で生きることを誇りに思える未来」を創るためには、次世代が地域に愛着を持ち、挑戦できる環境が必要です。
ナルトベースは、行政、教育機関、そして生産者と連携し、食を通じて子どもたちが学び・挑戦し・誇れる循環型の地域モデルを鳴門から生み出すことを目指しています。
このビジョンに基づき、ナルトベースは地元の生産者やNPO法人、教育関係者、行政等と協働し、地域の子供たちを対象とした実践型の食育体験授業を提供しています。
課題
• 子どもたちが食と地域産業のつながりを実感できる機会が不足している。
• 農産物の生産(一次産業)から加工(二次産業)、販売(三次産業)に至る「食のバリューチェーン」を体験的に学ぶ仕組みがない。
• 子どもの「やってみたい」を「できた!」に変え、未来の担い手としての夢や挑戦心を育む場が必要。
導入ソリューション
• 地域の食材をテーマにしたパンの商品開発を生産者と共に考えるプログラムの実施。
• 農園にて生産者の特別授業を受け、収穫体験を行う。
• 収穫したイチゴを用いて、子どもたちがアイディアを形にするパン作り体験を実施。
• 完成したパンを、ナルトベースの店舗にて期間限定でお客様向けに販売し、食の流通と経済的な価値を学ぶ。
• 食育体験の協力や教育プログラムの共創を通じて、生産者の情熱を「終わらない感動」に変えるサポートを行う。
導入効果
• 子どもたちが地域の食材に触れ、そこにある命や文化を「知り・学ぶ」機会を創出。
• 地域産業が連携し、子どもたちの夢への一歩を応援する学びの場を提供。
• 生産者(一次産業)、加工者(二次産業)、消費者(三次産業)が一体となった食の循環(ローカルエコノミー)への参加意識を醸成。
• 地域共創を通じて、関係人口や体験価値創出につながるネットワークを育成。
ナルトベースは、地元鳴門の高品質な「うずしおベリー®」を栽培するフルーツガーデンやまがた様などと協働し、子どもたちに食の尊さと楽しさを伝える実践的なプログラムを提供しています。
この食育体験授業は、「収穫する人」と「食べる人」の間に存在する距離を縮め、子どもたち自身が「つくり手」と「伝え手」になるプロセスを重視しています。
体験のプロセス
1. 農園での特別授業と収穫体験
子どもたちは農園を訪れ、生産者からイチゴづくりに込められた情熱や、日々の作業の大変さ、天候との向き合い方など、普段は聞けないリアルな話を直接教わります。
「おいしい実をつくるために、こんな工夫があるんだよ」と語る生産者の表情は真剣で、子どもたちも自然と姿勢を正して聞き入ります。
そのあと、一人ひとりが自分の手で収穫に挑戦。
ほんのり温かい実の感触や、葉の影に隠れた赤い果実を自分で探し出す楽しさ、摘んだ瞬間にふわっと広がる甘い香り──
五感を通じて「食材には命がある」ということが伝わっていきます。
「こんなに大きいのがとれた!」
「どうやって育ててるの?」
そんなやり取りが自然に生まれ、子どもたちが“食のスタート地点”に立ったことを実感する時間になります。
ここで芽生えた小さな気づきが、この後の体験全体を支える“大切な最初の一歩”となります。
2. アイディアを形にするパン作り体験
農園から戻った子どもたちは、まず自分がつくりたいパンのアイデアを スケッチブックに描き出すところからスタート します。
丸いパン、ハート形、ジャムをかけたい、チョコを添えたい──。
それぞれの頭の中にある「イチゴを使った理想のパン」が、紙の上で少しずつ形になっていきます。
ナルトベースの職人は、一人ひとりのスケッチを見ながら
「この形ならこう生地を伸ばすといいよ」
「イチゴの甘さが活きる組み合わせだね」
とプロの視点でアドバイス。
子どもたちの世界観を尊重しつつ、本当に形にできるよう導きます。
いよいよ成形へ。
小さな手で生地を丸める子、そっと指先で飾りをつける子、夢中で作業に向き合う姿からは、本気で“つくり手”になっていく瞬間が感じられます。
職人と一緒に成形し、丁寧にオーブンへ入れたら、あとは焼きあがるのを待つだけ。
ガラス越しに膨らんでいくパンを見つめながら、
「うまくできてるかな…?」
「お客さん、喜んでくれるかな?」
とドキドキが膨らみます。
焼き上がった瞬間に広がる甘く香ばしい匂いと、
「できた!」と弾ける笑顔。
アイデアが本当に形になる体験は、子どもたちにとって忘れられない時間になります。
3. 店舗での限定販売とフィードバック
焼き上がったパンは、その日のうちにナルトベースの店舗で「子どもたちとつくった限定パン」として並びます。
ショーケースに自分のパンを見つけた瞬間、子どもたちは誇らしげな表情に。
お客様が足を止め、「かわいいね」「おいしそう」と手に取ってくれる姿を見て、
“つくったものが誰かの手に届く喜び” を実感します。
販売後は、職人やスタッフと振り返りを行い、
「どこを工夫したか」「次はどうしたいか」を自分の言葉で話し合います。
お客様の反応や売れ行きのデータも共有し、子どもたちは“次の挑戦”を自然にイメージするようになります。
また、ナルトベースが行う加工(シャーベットやジェラートなど)を紹介することで、
「収穫後も食材の価値を届け続ける仕組み」も学び、食の循環への理解がさらに深まります。
ナルトベースは、イチゴを原料としたアイス(いちごシャーベット、いちごミルクジェラートなど)の製造を通じて、イチゴの時期が終わってもお客様に高品質なベリーの味を届ける夢を実現しており、この「加工」の仕組みが、食育体験においても生産者の想いを一年中伝える手段となっています。
このように、ナルトベースは、加工や販売を支えるプロフェッショナルサービスであるだけでなく、地域と次世代の学びが交差する 「Social Good HUB」 として機能しています。
子どもたちの体験学習、生産者の想い、地域の食文化を一本の線でつなぎ、そこから生まれる“小さな挑戦”を“未来の希望”へ育てていく。
私たちは、生産者の挑戦に寄り添い、地域の価値を持続的に育てていく 共創の伴走者 として、これからも歩み続けていきます。
行政・教育機関との共創で、地域の未来をデザインする。
私たちブエナピンタ株式会社は、地域の持続可能性を脅かす人口減少や若者の流出といった課題に対し、行政・教育機関・生産者と連携し、「食のSOCIAL GOOD HUB」の実現を目指します。
食育体験授業を通じて、子どもたちが農園での収穫から店舗での販売まで、食のバリューチェーン全体を実践的に学ぶ機会を創出しています。これは、地域資源を経済的・文化的価値へと変換し、次世代が地域に誇りを持てる循環型のモデルを構築する活動です。
教育・行政を含む多様な分野の変革を支援することで、限られた資源を活かし、持続可能な成長を実現する「賢く縮む」社会を鳴門から創り出していきます。
ブエナピンタ株式会社(THE NARUTO BASE)
• 電話:088-602-8882 (平日 9:00〜18:00)
• お問い合わせ方法:お問い合わせフォームよりご連絡ください。
• 所在地:〒772-0001 鳴門市撫養町黒崎字松島125(NARUTO BASE内)